総務省登録修理業者
総務省登録修理業者という制度があります。実務の修理技術の水準が担保される制度ではなく、電波法その関連法における技術基準の適合性、及び修理箇所と修理の方法が適正であるかをチェックする制度です。電波試験のデータや適切な修理の管理システム構築等を総務省に申請、登録を受けます。登録義務はありません。
iPhoneの修理業においては電波の特性に影響を及ぼすとは考えにくい画面の修理とバッテリー交換を中心に行われています。 登録修理業者、未登録修理業者を総じて非正規修理店と呼び全国に2000店程存在します。 機種未登録のケースも含めると未登録業者が大半を占めている事から全国で修理されたiPhoneの大半が未登録修理店によるものと言っても過言ではないと思います。総務省は日夜、不法電波のチェックを行なっており修理を受けた膨大な数のiPhoneから他の電波基地局に影響を及ぼす電波がキャッチされたという話は皆さんも聞かれた事がないのではないでしょうか。
登録は機種ごとに全て行う必要があり総務省にiPhone全ての機種の登録を行っている修理業者さんの場合には、全ての機種において修理後の端末が電波法の技術基準に適合している事を総務省から担保され、登録機種が1機種~数機種の場合、未登録機種の修理については当店のような未登録修理業者と同じで、登録修理業者制度に基づかない修理となります。
登録修理業者が少ない(現在68事業者)及び登録機種が少ない大きな理由として、一度登録した修理パーツは容易には変更できない事と組み立てた端末を電波テストの専門機関に提出して、そのデータを登録申請に添付する必要があり、電波のテスト費用が一機種当たり100万円とも?? iPhone14まで、すべての機種の登録となると電波のテスト費用だけでなんと2000万円以上?かかる計算になります。登録にかかるイニシャルコスト分を修理価格に転嫁しなければ採算がとれません。 恐らくこのあたりがネックになっているのではと?当店のような小さな店にとっても、身近な制度になることを願うばかりです。