登録修理業者制度は修理パーツの品質性能や修理技術者のレベルを評価認定する制度ではありません。

 登録修理業者という制度があります。電波試験のデータや、適切な修理の管理システム構築等を総務省に申請、登録を受けます。

 実務の修理技術や技能の水準、修理パーツの性能品質が保証される制度ではなく、電波法その関連法により、登録申請が行われた機種の電波の利用が適法かをチェックするのが主な目的の制度です。

ネット上には事実誤認の記事もあります。
制度に登録をしたことで、修理パーツの品質や修理技術について国からお墨付きをもらっているかのように訴求する広告や記事も散見されます。総務省が本制度において修理者の技術やパーツの品質スペックについて「お墨付き」を与えることはありません。

ネット上で公開されている記事 >

 登録修理者制度に登録した機種の修理は電波法の技術基準に適合していることを総務省から担保されています。
 未登録の機種の修理は登録修理業者制度に基づかない総務省から担保されていない修理になります。

 登録機種が1機種~数機種の場合であっても、ウェブサイトに登録修理業者の表記があれば、全ての機種の修理が登録修理業者による修理であると誤解されているお客様もいらっしゃいます。

登録修理業者 登録機種一覧 7ページ~ >

iPhoneの機種登録数が多い企業は2024 7月3日現在、登録機種一覧表によると、 iCracked japanさん、Asurion Technology Japanさんです。

 制度の本質、趣旨から登録修理業者として修理を行うのなら、全ての機種の登録をする必要があります。現状は旧モデルの登録のみにとどまっているケースが多く、当店のような未登録修理業者や未登録の機種の修理は、お客様に「登録修理制度に基づかない修理になりますが、これまで修理した端末が電波法違反に問われたことはありません」というご説明になってしまいます。

 周波数の変更、出力アップ、アンテナの受信感度を上げるなどの違法改造は、その方法さえ私達には知る由もなく、行なわれていることもありませんのでご安心ください。

 修理業界では電波の特性に影響を及ぼすとは考えにくい、破損した画面を交換したり、バッテリー交換を中心に行われています

 登録修理業者、未登録修理業者を総じて非正規修理店と呼び全国に2000店程存在し、機種未登録 のケースも含めると未登録業者が大半を占めている事から全国で修理されたiPhoneの大半が未登録修理業者によるものと言っても過言ではないと思います。
 アップルの直営店と正規サービスプロバイダーによる修理が30%、非正規修理店の登録修理は4%、未登録修理は66%?この数字は全国の修理店の割合と当店に持ち込まれる修理歴のある端末の登録修理のシール貼付の実態から割り出した、あくまで私のおおざっぱな根拠による推定です。

 総務省は日夜、電波を監視しており修理を受けた膨大な数のiPhoneから他の通信に影響を及ぼすというような話は聞かれたことがないのではないでしょうか、修理業を営むことは違法行為ではなく、登録修理業者制度が導入される何十年も前から技適マークのある無線機の修理を行う(メーカー以外の修理)修理業者さんもいらっしゃいます。

 登録修理業者が少ない及び登録機種が少ない理由として、組み立てた端末を電波テストの専門機関に提出して、そのデータを登録申請に添付する必要があり、電波のテスト費用が一機種当たり100万円とも?iPhone15までの機種の登録となると電波のテスト費用だけでなんと3000万円以上?かかる計算になります。登録にかかるイニシャルコストを修理価格に転嫁しなければ採算がとれません。チェーン店のように複数の店舗がある場合は本部が代表して登録申請を行うにしても、大きな負担であることに変わりはありません。

 登録後の管理が大変なことや、一度登録したパーツを別パーツに変更したり仕入先を変えることは容易ではないはずです、自由にパーツを変更できるなら、制度の存在意義がありません。その点、未登録業者ならパーツの選択肢も広がり柔軟な対応が可能になります。 恐らく、費用面とこのあたりがネックになっているのではと?当店のような小さな店にとっても、身近な制度になることを願うばかりです。

登録制度導入の背景 総務省電波利用ホームページ >  

あとがき

 世の中には消費者に誤解や不安を招くような法に触れかねない表現、手段で物やサービスを販売しているケースがあります。

 社会の陰の部分としてあの手この手を使い、詐欺が横行する実情もあります。フィッシング詐欺、投資詐欺、取り込み詐欺、振り込め詐欺、逮捕状詐欺など後を絶ちません。

「宅配便をお届けに上がりました…」の偽メールで、偽APP StoreのアップルID パスワード入力画面に誘導しクレジットカードなどのお客さまの情報を盗み取るケースもあるようです

 生涯、詐欺に遭遇することなく穏やかに暮らせることが何よりなのですが、詐欺を企む者がいつなんどき言葉巧みに忍びよってくるかもしれません。身内も手形をめぐって詐欺のトラブルに遭い、さらに謂れのない債権にこじつけ裁判を起こしてきたので、こちらも弁護士を立て争うことになりました。

 勝訴したものの相手が裁判の前に資産を巧妙に別の法人、個人へと移していたのと、社員に罪を被せて裁判は終結し、お金が戻ることはありませんでした。その後、代理人を立てずに損害賠償請求したのですが一部しか戻りませんでした。

 お金が渡ってしまってからでは時すでに遅しです。世知辛いことは性に合わないと無防備で安易に契約すればまんまと詐欺の術中にはまってしまうかもしれません。その手の話は全部断っているからという方は大丈夫だと思うのですが、日頃から予防策を講じておけばいざというときに役立つかもしれません。

 不安になるような内容になっていたらごめんなさい。普段、無防備の方もいらっしゃると思いますので、詐欺に遭って辛い気持ちになってほしくない思いから附記しました。

 この後も、どうぞ良いお時間を。









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